令和元年度経済産業省デジタルプラットフォーム構築事業デジタル化等による経済産業省の会計手続の簡素化・効率化に向けた検討・調査調査報告書
報告書概要
この報告は、経済産業省の会計手続のデジタル化による簡素化・効率化について書かれた報告書である。
現状分析では、四十二の会計手続について業務手順の見える化と業務量の測定を実施し、作業種別では「確認・修正」「運搬・移送」「作成」が多く、手段別では「紙」「システム」「PC利用」が多いことが判明した。これらの分析から、会計手続全般に「紙が多い」「情報が散在している」「確認・修正作業が多い」という三つの主要課題があることを確認し、さらに十一の手続について深掘り分析を実施した。
先進事例調査では、デジタル技術導入により課題解消を図っている他団体へのヒアリング調査を行い、RPAやポータル導入が短期的効果を見込めることを確認した。また、人手による単純作業をデジタル技術に置き換えるだけでなく、情報・データを一元的に管理し電子データのまま利活用する仕組みが必要であることを整理した。予算管理システムをベースとした新たな仕組み「新・予算管理システム(仮称)」の構築が合理的であると結論付けた。
改善案として会計手続全体のあるべき姿を検討し、深掘り対象手続についてそれぞれのあるべき姿を提言した。また、業務削減量の試算も実施し、定量的な効果を示した。
スモールスタートでは、RPA等の活用による比較的簡便な改善策について検証を行い、三つのRPA製品のうちUiPathによる検証で、堅確性向上と業務量削減の効果が得られることを確認した。
最終的に、デジタル化実現には職員のIT環境整備、制度・ルール見直しを含む業務改革、既存サービス活用検討、中小企業への配慮、他省庁との協働が重要な留意点として提示された。
