令和元年度産業保安等技術基準策定研究開発等事業(電力分野のサイバーセキュリティ対策検討事業)報告書

掲載日: 2020年6月12日
委託元: 経済産業省
担当課室: 産業保安グループ電力安全課
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報告書概要

この報告は、電力分野のサイバーセキュリティ対策検討事業について書かれた報告書である。近年、サイバー攻撃の高度化と電力分野のデジタル化進展により、電力分野におけるサイバーセキュリティ対策の重要性が増している。特に2020年のオリンピック・パラリンピック競技大会開催を控え、対策強化が急務となっている。本調査では、電気事業者のサイバーセキュリティ対策の取り組み確認をより効率的に実施するため、課題の洗い出しと改善策の検討を行った。まず、産業保安監督部と連携した検討会を開催し、電力制御システムセキュリティガイドラインに基づく確認作業の模擬実施を通じて課題を抽出した。検討会では全国21名の産業保安監督部職員が参加し、サイバーセキュリティ基礎講座、ガイドライン解説、演習を実施した結果、技術的事項の理解度向上の必要性や事前調整の重要性が明らかとなった。また、産業保安監督部による実際の取組状況確認後のヒアリング調査を実施し、事前の資料認識合わせが円滑な進行に効果的であることが判明した。さらに、2019年7月に改定された電力制御システムセキュリティガイドラインとスマートメーターシステムセキュリティガイドラインの変更点を踏まえ、確認マニュアル案を作成した。諸外国のスマートメーターシステムセキュリティ関連文献調査では、ドイツ、イギリス、フランス、アメリカ、EUの公的機関が策定した6つの文献を分析し、認証スキームや評価項目を整理した。これらの調査結果を基に、電気事業者の取り組み確認をより効率的に実施するためのマニュアル案を完成させ、継続的なサイバーセキュリティ対策の改善に向けた基盤を構築した。