令和元年度商取引・サービス環境の適正化に係る事業(貿易手続データの金融・保険分野等への利活用に関する調査)調査報告書

掲載日: 2020年6月12日
委託元: 経済産業省
担当課室: 商務・サービスグループ物流企画室
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令和元年度商取引・サービス環境の適正化に係る事業(貿易手続データの金融・保険分野等への利活用に関する調査)調査報告書のサムネイル

報告書概要

この報告は、貿易手続きデータの金融・保険分野等への利活用に関する調査について書かれた報告書である。経済産業省が実施した令和元年度の事業として、KPMGコンサルティング株式会社が貿易データの利活用促進と環境整備に関する包括的な調査を行った結果をまとめている。

報告書は、国内コンテナ取扱貨物量が過去最高を記録する中で、貿易手続きの電子化が進んでいない現状と、中小企業を中心とした二重入力や人的オペレーションへの依存による業務負荷の高さを課題として指摘している。海外では貿易業務の電子化とともに高付加価値サービスが提供され始めており、国際競争が激化している状況下で、我が国でも貿易業務の効率化・高度化による国際競争力向上が急務となっている。

解決策として、ブロックチェーン技術を活用した貿易手続データ連携システムの構築により、貿易書類の電子化・一気通貫連携による業務効率化の実現可能性が前年度のNEDO事業で検証されている。しかし、貿易プラットフォームは多くの事業者が参加して初めて効果を発揮するため、データ利活用を通じた魅力的な高付加価値サービスの創出が必要である。

調査では大企業と中小企業等へのヒアリングを実施し、実現ニーズの高い利活用アイデアの整理を行った。また、民間プラットフォーマーがサービス展開する際の指針となる貿易データ共有に関する留意点集を作成している。留意点集では、データ提供の促進、利用目的・範囲の制限、データ加工、開示に伴う免責といった観点から、データ主体の同意取得や非公開情報の設定、利用規約での制限、仮名・匿名化等の具体的方策を検討している。さらに、データ利活用者による安心した利活用環境の整備として、データの正確性・非侵害に関する保証や予測可能性のある利活用ルールの確立の重要性を示している。