令和元年度石油・ガス供給等に係る保安対策調査等事業(経年埋設ガス管のリスク評価手法・基準開発事業)報告書

掲載日: 2020年6月23日
委託元: 経済産業省
担当課室: 産業保安グループガス安全室
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令和元年度石油・ガス供給等に係る保安対策調査等事業(経年埋設ガス管のリスク評価手法・基準開発事業)報告書のサムネイル

報告書概要

この報告は、土中に経年埋設された灯外内管の腐食リスク評価手法と基準開発について書かれた報告書である。

経年埋設内管は土壌成分の影響により腐食が進行しガス漏れが発生する可能性があり、産業構造審議会のガス安全小委員会で策定されたガス安全高度化計画では、学校や病院等の保安上重要な建物に埋設された経年埋設内管について2020年度までの改善完了を目標としている。平成15年度末の約38万本から平成29年度末の約5万4千本まで大幅に削減されたものの、需要家の同意が必要であることから削減が困難な事例もあり、平成30年度末でも約4万9千本が残存する見込みとなっている。

本事業では、平成28年度から30年度に実施された「経年埋設ガス管のリスク評価手法・基準開発事業」の成果をベースに、現場で有効に活用しうる技術基準とその運用方法を検討し、「供内管腐食対策ガイドライン」の改定を目標としている。具体的には、土壌抵抗率と管対地電位の現場測定基準とマニュアルの策定、経年埋設内管腐食リスク評価技術基準の策定、現地デモンストレーションによる基準の検証と修正を実施した。

土壌抵抗率測定については、測定機器の性能検定・校正基準、現場測定方法の基準、土壌湿潤化基準、温度補正基準を策定し、管対地電位測定についても同様の基準・マニュアルを作成した。腐食リスク評価技術基準では、ガス管延長係数に応じた貫通確率の定式化と腐食リスク判定表の策定を行った。全国7地区での現地デモンストレーションを実施して基準・マニュアルの実用性を検証し、その結果を反映した改定ガイドラインを策定している。改定ガイドラインは経年埋設内管の腐食リスクを需要家に情報提示し、自主的な取替行動を促す技術的根拠として活用できるものとなっている。