令和元年度新エネルギー等の保安規制高度化事業(水素導管供給システムの安全性評価事業(総合調査))調査報告書

掲載日: 2020年6月23日
委託元: 経済産業省
担当課室: 産業保安グループガス安全室
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令和元年度新エネルギー等の保安規制高度化事業(水素導管供給システムの安全性評価事業(総合調査))調査報告書のサムネイル

報告書概要

この報告は、令和元年度新エネルギー等の保安規制高度化事業における水素導管供給システムの安全性評価事業について書かれた報告書である。日本ガス協会が経済産業省からの委託を受け、水素社会実現に向けた水素導管供給システムの安全性確保および技術基準整備を目的として実施した総合調査の成果をまとめている。調査は平成28年度から継続されており、今年度で設計・施工から実運用時の維持管理に関する技術調査を完了している。

主要な調査内容として、水素ガス工作物の技術基準整備のための調査では、ガス遮断機能を有するガスメーターに求められる遮断弁の構成や性能に関する技術的課題について検討を行った。付臭措置に関する調査では、水素導管供給システムにおける付臭剤候補であるシクロヘキセンを含有する水素を燃料電池で使用した場合の性能への影響および排気臭気への影響について実験により評価した。

調査実施体制として、日本ガス協会内に事務局を設置し、水素導管供給システムの安全性評価事業特別専門委員会および推進ワーキンググループを組織した。学識経験者、各調査分野の専門家、ガス事業者等との協議を通じて事業全体の運営と成果の取りまとめを実施している。また、他の委託調査事業者に対する助言や連携も重要な役割として担った。

過去の調査事業の総括として、平成17年度から開始された水素供給システム安全性技術調査事業以降の成果を整理している。海外調査では米国およびヨーロッパにおける水素パイプライン供給事業の実態を調査し、技術基準や運用方法について情報収集を行った。国内においても各自治体や民間企業による水素サプライチェーン構築に向けた実証プロジェクトの動向を把握している。これらの調査結果は、水素導管供給システムの技術基準策定および安全な運用方法の確立に向けた重要な基礎資料として活用される予定である。