令和元年度国内における温室効果ガス排出削減・吸収量認証制度の実施委託 (環境性能の高い製品・サービス等に関する調査)
報告書概要
この報告は、温室効果ガス排出削減に資する環境性能の高い製品・サービス等に関する国際的な市場規模や基準について調査・分析を行った報告書である。パリ協定に基づく長期戦略として2050年までの温室効果ガス80%削減を目指す日本において、経済成長と両立した脱炭素化に向けた環境整備が求められている背景がある。
調査では、アジア・太平洋地域における2050年に至る移行期において、IEAの2℃シナリオでも石炭・石油が約半分を占める現実的なエネルギー構造となることが示されている。ASEAN主要国では2030年時点でも化石燃料に70%程度依存し、各国のNDC目標達成には国際協力が不可欠である状況が確認された。
日本やASEAN諸国では製造業が3割以上のエネルギー需要を占め、エネルギー供給面でも石炭・天然ガスへの依存度が高い。これらの地域における産業構造の特徴として、二次産業の割合が高く、製造業を中心とした経済構造となっていることが明らかになった。
報告書では環境性能の高い製品・サービス等の国際的な市場規模試算、各国金融機関の投融資判断基準調査、国際的な動向調査を実施し、移行段階における現実的な産業政策・投資計画の必要性を分析している。また、生活者視点での気候変動に関連する未来シナリオの検討も行われ、今後の気候変動対策の方向性が示されている。
