令和元年度エネルギー需給構造高度化対策に関する調査(直接埋設による電線地中化工法の実用性等調査)無電柱化ベストプラクティス集
報告書概要
この報告は、無電柱化事業における効果的な整備手法について書かれた報告書である。一般社団法人日本電気協会により令和2年2月に作成されたベストプラクティス集であり、各電力会社が関わった無電柱化整備事例の中から地元合意形成や整備内容に関する好事例を取りまとめている。
報告書では無電柱化の整備方式を大きく地中化方式と地中化方式以外に分類し、電線共同溝方式、自治体管路方式、要請者負担方式、単独地中化方式などの具体的工法を解説している。また整備方法として既存ストック活用工法、小型ボックス活用工法、同時整備工法、ソフト地中化などの技術的手法を詳述している。
全国の電力会社エリアから22の実施事例を収録し、それぞれの事業化プロセス、地元との合意形成過程、整備内容を詳細に記述している。北海道のふれあいの道では裏配線により従来工法と比較して約60%のコスト削減を実現し、東北地方のウエルネスタウンみつけでは全国初の住宅地向け小型ボックス活用工法を採用している。
各事例では防災、景観向上、観光振興、商店街活性化など多様な目的で無電柱化が推進され、地域特性に応じた技術的解決策が示されている。また事業推進において地元住民、商店街組合、自治体、電力会社等の関係者間での協議・調整プロセスの重要性が強調されており、成功事例における合意形成のノウハウが共有されている。
