令和元年度化学物質安全対策(途上国におけるオゾン層破壊物質等の転換プロジェクト推進及び特定物質等の破壊についての状況調査等事業)
報告書概要
この報告は、令和元年度における途上国のオゾン層破壊物質の転換プロジェクト推進及び特定物質等の破壊に関する状況調査について書かれた報告書である。モントリオール議定書に基づく多国間基金を活用し、途上国におけるHCFC(特定フロン)からHFC(代替フロン)への転換支援や、HFCの破壊認定制度に関する調査が実施された。ベトナムにおける家庭用エアコンの冷媒転換プロジェクトでは、HCFC-22からHFC-32への代替技術支援について、世界銀行、ベトナム資源環境省、日本冷媒環境保全機構との間で業務指示書の調整が進められた。技術アセスメント、工場安全性支援、設置・運用技術支援の3分野に分けて総額23万3630ドルの予算が認定され、コンサルタントの資格要件や実施期間について詳細な検討が行われた。インドネシア・マレーシア等の他の途上国に対しても、HFC段階的削減計画に関する意見交換や具体的ニーズの聴取を通じて、新たなプロジェクト組成の可能性が調査された。破壊認定制度については、米国とEUにおける運用状況が調査され、HFCの破壊技術認定による再生産制度の構築に向けた基礎資料が収集された。モントリオール議定書関連会合では、第41回公開作業部会、第31回締約国会合、第84回執行委員会会合等に出席し、国際的な議論動向の調査が実施された。また、破壊施設における適正管理規範として、受入検査、保管管理、破壊量測定、施設設計、保守管理、品質管理、訓練、輸送規範、監視等の詳細な技術基準が示されている。
