令和元年度燃料安定供給対策に関する調査(石油業界における災害時燃料供給体制のあり方等に関する調査)報告書

掲載日: 2020年6月26日
委託元: 経済産業省
担当課室: 資源エネルギー庁資源・燃料部石油精製備蓄課
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報告書概要

この報告は、令和元年度における石油業界の災害時燃料供給体制に関する調査について書かれた報告書である。資源エネルギー庁の委託事業として、首都直下地震や南海トラフ巨大地震等の激甚災害に備え、石油精製・元売会社の事業継続計画(系列BCP)の格付け審査を実施し、石油業界全体の災害対応能力向上を図ることを目的としている。

主要な石油会社5社(JXTGエネルギー、出光興産、コスモ石油、富士石油、太陽石油)を対象として、発災後可能な限り迅速に石油供給機能を回復させるための体制構築を評価している。評価は「早期に平常時の1/2程度の入出荷機能を確保」を目標とし、供給回復目標、本社機能、受注・配車機能、SS管理・支援機能、被災製油所の支援機能、被災製油所の対策本部機能、需給調整機能の6つの機能と18の個別項目について実施された。

平成30年度までの取組状況では、全社が供給回復目標を24時間以内に設定し、石油連盟のBCPガイドラインに沿った文書整備と訓練を実施している。多くの項目で「優」レベルの取組まで進んでおり、一部の会社では初めて総合評価「S」を獲得するなど、業界全体の取組が大幅に向上していることが確認された。しかし、タイムラインの考え方の社内浸透や実効性の高い訓練の継続実施が課題として挙げられている。

令和元年度の格付け審査では、名古屋工業大学の渡辺研司教授を委員長とする4名の有識者による審査委員会を設置し、評価項目と評価基準の見直しを実施している。各社からの資料提出と対面審査を通じて、災害時の石油供給体制の実効性を評価し、今後の改善に向けた具体的な提言を行っている。この継続的な取組により、石油業界の災害対応レベルの更なる向上を目指している。