令和元年度産業経済研究委託事業(印刷業務の最適化に関する調査)報告書
報告書概要
この報告は、経済産業省における印刷業務の最適化に関する調査について書かれた報告書である。
令和元年度に実施された本調査は、職員数削減と業務増加という課題に対応するため、ノンコア業務の外注化による本来業務へのリソース再配分と業務の質向上を目的としている。調査では、経済産業省本館・別館に設置された440台のフロア機と地下1階コピーセンターの稼働データ分析、印刷量の多い18課室へのヒアリング調査、フロア機とコピーセンターの現場調査、全課室を対象としたアンケート調査の5つの調査手法を用いて実態把握を行った。
調査結果から、ペーパーレス化の不徹底、フロア機等の非効率な運用、継続的な業務改革を行う組織の不在という3つの主要課題が明らかとなった。ペーパーレス化については、課内打合せ用資料の印刷が最も多く、その理由として少量印刷、時間的制約、機密性の高さが挙げられている。また、マネジメント層の意識やIT環境の不備も阻害要因として指摘されている。
これらの課題に対する解決策として、ドキュメントセンター(仮称)の設置によるアウトソーシングの検討が提案されている。アンケート調査では、回答課室の約60%が1割から3割の印刷業務をドキュメントセンターに移行可能と回答し、全体として約1千5百万頁、省内総印刷量の約23%の移行が可能であるという試算結果が示されている。さらに、印刷業務以外にもシュレッダー代行サービスや依頼課室への納品サービスなどへの期待が高いことが確認された。
