令和元年度「地域中小企業人材確保支援等事業(中小企業・小規模事業者における優良事例調査等事業/地域ネットワーク実証事業)」事業報告書
報告書概要
この報告は、中小企業庁の委託による地域中小企業人材確保支援等事業について書かれた報告書である。本事業は令和元年度に実施され、中小企業・小規模事業者の人手不足対応を目的として、A事業とB事業の二つの柱で構成されている。A事業では、働き方改革や多様な人材活用を通じて人手不足に対応している中小企業の優良事例を100事例程度収集し、事例集として取りまとめた。収集した事例は、ワーク・ライフ・バランスの実現、同一労働同一賃金への取組、就職氷河期世代の正社員登用、女性・高齢者・外国人などの多様な人材活用といった分野に分類されている。また、平成28年度に策定された人手不足対応ガイドラインの見直しを行い、5つのステップを含めた分かりやすい内容に改訂した。さらに、平成30年度に作成された人材確保支援ツールの有効性検証と見直しも実施している。B事業では、地域ネットワーク実証事業として、経営支援機関等による連携体を形成し、中小企業の経営課題の明確化から人材確保までの支援をシームレスに行える仕組みづくりの実証を行った。具体的には、YMZOPと社会人材コミュニケーションズの二つの実証機関が参画し、それぞれの地域において支援機関のネットワーク形成と人材確保支援ツールの有効性検証を実施した。実証の結果、支援機関が継続的に参画するためには、各機関のニーズに合わせた成果物の提供や、新規顧客獲得につながるコンテンツとしての活用可能性が重要であることが明らかになった。本事業の成果物として、事例集、改訂版ガイドライン、人材確保支援ツールの各種版本、実証事業報告書等が別冊として取りまとめられ、今後の中小企業支援における実用的な資料として活用される予定である。
