令和元年度電力設備電磁界情報調査提供事業報告書
報告書概要
この報告は、令和元年度に実施された電力設備から発生する電磁界の健康影響に関する情報調査提供事業について書かれた報告書である。一般財団法人電気安全環境研究所が実施したこの事業は、商用周波数の電磁界に係る国内外の研究動向、諸外国の規制動向、リスクコミュニケーション手法等の情報収集を行い、収集した情報に対し科学的・中立的な評価を行って広く国民に提供することにより、電磁界の健康影響に対する国と国民との間のリスク認識のギャップを埋め、国民の漠然とした不安感を低減させることを目的としている。事業の主要な成果として、世界最大の電磁界データベースであるEMF-PORTALを使用して2019年に公表された122件の文献を収集・整理し、生体影響に関する67件について詳細な分析を実施した。また、日本と同じ200μTの磁界規制を導入しているニュージーランド及びオーストラリア、ドイツについて規制当局及び事業者へのヒアリング調査を行った。さらに、釧路市、鳥取市、大津市、水戸市、佐賀市の全国5箇所において電力設備から発生する磁界の測定を実施し、各地で講演会を開催して情報提供を行った。講演会では行政の取り組み紹介、電磁界の基礎知識、身のまわりの電磁界についての講演を行い、磁界測定のデモンストレーションも実施した結果、合計で620名の参加者があった。併せて、パンフレット「電磁界と健康」の改訂第17版を発行し、ホームページも更新して国民が最新かつ正確な電磁界情報を入手できるよう整備した。
