令和元年度質の高いエネルギーインフラの海外展開に向けた事業実施可能性調査事業委託費(我が国企業によるインフラ海外展開促進調査)ロシア連邦・サハ共和国レナ川橋梁を中心とした周辺再開発に向けた事業実施可能性調査報告書
報告書概要
この報告は、ロシア連邦サハ共和国ヤクーツクにおけるレナ川橋梁を中心とした周辺再開発に向けた事業実施可能性調査について書かれた報告書である。ロシア連邦はスマートシティ3.0の実現を目標とした国家戦略を推進しており、26のモデル都市の一つであるヤクーツクにおいて、レナ川橋梁建設、船舶ドックを含む港湾インフラ整備、熱供給効率化が最優先課題として位置付けられている。レナ川橋梁開発については、ソビエト連邦時代からの悲願である案件として、2013年に連邦予算での建設が決定されたが、クリミア半島橋梁建設の優先により一旦凍結された経緯がある。技術検討では4径間鋼斜張橋を主案として、日本の防食ストランドケーブル技術、鋼管矢板井筒基礎、重防食塗装などの適用可能性が評価された。造船事業については、ジャタイスカヤ造船所の近代化プロジェクトにおいて、ロシアの造船業政策や極東特別経済地域の優遇措置を活用した日本企業の参画可能性が検討された。スマートシティ関連技術では、廃棄物処理システム、熱供給事業の現状分析を行い、CCTV交通違反認識システムやデータセンター技術の導入提案が行われた。CO2排出削減効果として、レナ川橋梁完成により貨物船輸送の90%が陸上輸送に置換されることで大幅な削減が見込まれ、熱供給パイプ延命技術の導入も環境負荷軽減に寄与すると評価されている。
