平成31年度化学物質安全対策(ナノ材料等に関する国内外の安全情報及び規制動向等に関する調査)報告書

掲載日: 2020年8月5日
委託元: 経済産業省
担当課室: 製造産業局化学物質管理課化学物質リスク評価室
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報告書概要

この報告は、ナノ材料や内分泌かく乱物質に関する国内外の安全情報や規制動向について調査した報告書である。

ナノ材料については、化粧品や産業分野での応用が期待される一方で、安全性評価方法が確立されていないため、欧州諸国では届出・登録義務化が進んでいる。フランス、ノルウェー、デンマーク、ベルギー、スウェーデンで実施され、イタリア、ドイツでも検討されている。米国では環境保護庁がカーボンナノチューブに対する重要新規使用規則を発表し、労働者保護措置を義務付けた。また、食品医薬品局が日焼け止め医薬品におけるナノ材料の使用に関するコメントを募集し、労働安全衛生研究所が工業ナノ材料の職業安全衛生実践調査を実施した。

内分泌かく乱物質については、欧州での関心が特に高く、EU では2018年に殺生物剤及び植物保護製品の規制対象として内分泌かく乱特性の判断基準が策定された。米国では環境保護庁の内分泌かく乱物質スクリーニングプログラムが継続されている。国際機関では、OECD工業ナノ材料作業部会でのスポンサーシッププログラムによりドシエの整備が進み、科学的知見の蓄積が着実に進展している。

本調査では、OECD工業ナノ材料作業部会への支援、テストガイドライン作業グループ会合への支援を実施した。さらに、経済産業省のナノ安全プロジェクトで開発された気管内投与法の普及に向けた課題調査も行った。各国の規制動向把握、国際機関におけるガイダンス策定状況の調査、ナノ材料の安全性情報収集を通じて、日本のナノ材料等の安全管理体制構築に必要な情報を整理した。これらの成果は、日本のナノテクノロジー発展と国際的な安全性確保への貢献を目指すものである。