平成31年度地球温暖化問題等対策調査(技術メカニズムに関する調査事業)
報告書概要
この報告は、平成31年度地球温暖化問題等対策調査における技術メカニズムに関する調査事業について書かれた報告書である。
報告書は2019年12月にスペイン・マドリードで開催された気候変動会合を中心に、技術関連の活動について詳細に記録されている。当該会合ではパリ協定6条(市場・非市場メカニズム)について合意が得られず翌年度に持ち越しとなったが、技術関連活動についてはカトヴィツェで実施細則が合意され、パリ協定実施に向けた作業が進められた。
技術メカニズムの主要構成要素である技術執行委員会(TEC)と気候技術センター・ネットワーク(CTCN)が、パリ協定の技術枠組み実施細則を踏まえて4か年活動計画を立案する作業が行われた。9月にフランス・パリで開催された第14回CTCN諮問委員会では、新ディレクターのRose Mwebazaが今後のCTCNの方向性について新たなビジョンを示し、翌週にドイツ・ボンで開催された第19回TEC会合では2019-2022年のTEC作業計画について詳細な話し合いが実施された。
6月にドイツのボンで開催された第50回補助機関会合(SB50)では、技術移転に関わるポズナン戦略計画についての重要な議論が行われた。12月のCOP25における技術執行委員会と気候技術センター・ネットワークの共同年次報告では、技術メカニズムの効果的な実施に進展があったことが歓迎され、CTCNレビュープロセスと定期評価の整合、ポズナン戦略プログラムについても一定の進展を見せた。本報告書はこれら一連の会合における論点を整理し成果をまとめると同時に、パリ協定のもとでより効果的・効率的な技術協力を進めるための技術メカニズムの課題と改善点を分析し、今後のあり方についての考察を提供している。
