平成31年度エネルギー需給構造高度化対策に関する調査等事業(太陽光発電設備における廃棄等費用の確保等に関する調査)最終報告書
報告書概要
この報告は、太陽光発電設備における廃棄等費用の確保等について書かれた報告書である。太陽光発電事業の終了後における設備の放置や不法投棄への懸念を受け、廃棄等費用の積立を担保する制度構築に向けた調査が実施された。報告書では廃棄等費用の額に係る調査として、解体事業者や廃棄物処理事業者等約1,700社に協力依頼を行い、40社から回答を得たアンケート調査結果が示されている。調査対象は50kW、PVパネル200枚の太陽光発電設備を想定し、仮設工事、撤去工事、整地工事、産廃処理の各工程における費用を詳細に分析している。また積立制度の設計に関連する調査では、外部積立を原則としつつ、長期安定発電の責任・能力を有する事業者に対する内部積立の検討という方向性が示されている。さらに源泉徴収的な金銭の受渡し、積立金の管理運用方法、金融商品市場における上場審査基準等について調査が行われた。制度執行時の社会コスト試算も実施されている。リユース・リサイクル・処分に関する調査では、海外事例の分析と国内における個別リサイクル法等の整理が行われた。既存法制度として廃棄物処理法、個別リサイクル法、広域認定制度が分析され、容器包装リサイクル法から小型家電リサイクル法まで各法律の特徴が比較検討されている。これらの調査結果は太陽光発電事業者による廃棄等費用の積立確保制度の構築に向けた重要な知見となっている。
