平成31年度国際ヘルスケア拠点構築促進事業(国際展開体制整備支援事業)報告書
報告書概要
この報告は、日本のヘルスケア技術・サービスの国際展開について調査・検討した報告書である。新興国を中心とした世界の医療・介護市場の急成長を背景として、日本の優れたヘルスケア技術・サービスをアウトバウンド・インバウンドの両面で推進することを目的としている。調査では、ASEANをはじめとする新興国の比較分析を行い、詳細調査対象を絞り込んだ。フィリピンにおけるプライマリケアの制度・実態調査では、都市と地方における医療ニーズの偏在状況を明らかにし、シンプル医療機器やデジタルヘルスの需要と導入に向けた規制・障壁を分析した。インドにおけるプライマリケア・デジタルヘルスの実態調査では、モバイルヘルス関連サービスの現状とニーズを調査し、日本企業の事業機会を検討した。また、モバイルヘルス・SaMDに関する調査では、新興国市場におけるクリニックや在宅医療で活用される機器・サービスの事例を整理し、多エリア展開に向けた課題を抽出した。インバウンド面では、医療通訳に関する国内実態把握と海外事例研究を実施し、外国人患者受け入れの円滑化に向けた支援策を検討した。さらに健康・医療関連産業の国際展開に関する検討会を開催し、幅広いステークホルダーの意見を聴取して新たな方向性をとりまとめた。これらの調査結果を通じて、各国のヘルスケア水準向上への貢献と日本経済の成長への寄与を図る施策の立案に資する知見を提供している。
