令和元年度高圧ガス保安対策事業(事故調査解析)報告書

掲載日: 2020年8月11日
委託元: 経済産業省
担当課室: 産業保安グループ高圧ガス保安室
委託事業者: 高圧ガス保安協会
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報告書概要

この報告は、令和元年度に発生した高圧ガス保安法関係事故について分析・調査を行った報告書である。高圧ガス保安協会が経済産業省の委託を受けて実施した事業で、事故の統計処理、内容分析、類型化調査、重大事故の調査を行った。令和元年に発生した高圧ガス事故は649件で、前年の878件から229件減少した。減少の要因として、事故定義の改正によるLPガス容器盗難・喪失件数の減少や冷凍事業所事故の減少が挙げられる。事故区分別では製造事業所が529件(81%)、消費が66件(10%)、移動が27件(4%)の順となっている。類型化調査では、過去数年間で繰り返し発生している事故や同様原因の事故を抽出し、3件について詳細な調査・検討を実施した。また、圧縮水素スタンドで発生した2件の重大事故について調査を行った。これらの事故は、いずれもディスペンサー内の熱交換器水素入口配管のねじ接合継手から水素が漏えいしたものである。事故原因として、設計・組立時の考慮不足、締結管理の不備、漏えい検知の不十分さが指摘された。対策として、トルク管理の徹底、漏えいチェックの強化、警報設定値の見直しなどの暫定対策と、設計変更、組立手順の確立などの恒久対策が実施された。報告書では、ねじ接合継手の適切な使用方法や締結管理の重要性について、圧縮水素スタンド関係者に広く周知する必要性が指摘されている。本調査結果は、高圧ガスの公共安全確保と事故再発防止のための効果的な対策立案に活用されるものである。