令和元年度戦略的基盤技術高度化支援事業(サポイン事業)事業化支援事業(事業化に関する調査事業)調査報告書
報告書概要
この報告は、経済産業省関東経済産業局が実施した戦略的基盤技術高度化支援事業(サポイン事業)の事業化支援に関する調査について書かれた報告書である。
サポイン事業は中小企業のものづくり基盤技術の高度化を支援し、我が国製造業の国際競争力強化と新事業創出を目的としている。しかし、サポイン事業実施者である中小企業等は営業力や訴求力が弱く、研究開発成果の事業化に結びつかない事例が散見されている。また、過去の事業において約4割近くの案件で計画時点の目標設定が不十分であることが指摘されている。
調査は大きく二つの観点から実施された。第一に、自治体スタートアップ支援に関する調査として、関東局管内の537件のサポイン事業を対象にアンケート調査を実施し、96機関から295件の有効回答を得た。第二に、サポイン企業の事業化に関する調査として、約600プロジェクトから20社程度を選定してヒアリング調査を実施し、大手企業との技術課題ニーズのマッチング検討を行った。
調査結果から、サポイン事業の事業化促進には自治体スタートアップ支援の戦略的活用とオープンイノベーションの実践が重要であることが明らかになった。事業者には、研究開発成果を戦略的に位置づけ、事業化コンセプトの設計と必要ステップの棚卸が求められる。事業管理機関には、継続的な関与を通じた事業化の種の把握とコンセプト設計支援が必要である。
