令和元年度化学物質安全対策(化学兵器の禁止及び特定物質の規制等に関する法律の届出電子化等に伴うシステム構築に関する検討調査)調査報告書
報告書概要
この報告は、化学兵器の禁止及び特定物質の規制等に関する法律に基づく届出電子化等に伴うシステム構築に関する検討調査について書かれた報告書である。
化学兵器禁止条約に基づき、日本は化学物質の製造数量等を化学兵器禁止機関(OPCW)に申告する義務を負っており、そのために事業者からの届出を経済産業省が管理している。従来、これらの年間約1000件の届出業務は紙・郵送による手作業で処理され、Microsoft Accessで構築された届出情報管理データベース(CWDB)により管理されてきた。しかし、CWDBは構築から8年が経過し、稼働環境の変化により不具合が発生している状況である。
現行システムの課題として、帳票出力機能の不具合によりExcelでの集計処理が正常に動作せず、XMLデータの出力も不可能となっている。そのため、職員は別の画面から手動でデータをコピーしてピボット機能で集計を行い、別途開発されたシステムでXML形式での出力を行っている現状がある。
新システム構築の方針として、化兵法及び関連法規に準拠し、届出の電子化を実現することが掲げられている。利用者を従来の化兵室職員6名から経済産業局担当職員にも拡大し、各局職員は管轄区内事業所の情報のみ参照可能とする機能を追加する予定である。また、従来のCWDBの活用可能性も検討し、コスト削減と業務継続性を考慮した構築を目指している。
調査では現行システムの要件確認、データ項目の整理、業務処理手順の調査を実施し、新システムに必要な機能要件とデータ要件を整理している。さらに非機能要件の整理、移行要件の検討、システム経費の試算を行い、入札時の適合証明書案も作成している。