令和元年度安全保障貿易管理対策事業(電子機器製造の産業基盤実態等調査)
報告書概要
この報告は、世界の半導体産業における技術動向と競争環境について書かれた調査報告書である。経済産業省向けに作成されたこの調査では、マイクロエレクトロニクス産業の現状把握と将来を見据えた研究基盤・生産基盤の詳細な分析を目的としている。世界の電子機器市場は継続的な拡大を続けており、それを支える半導体産業の重要性がますます高まっている状況が示されている。半導体市場は2019年にマイナス成長を経験したものの、過去のリーマンショックなどを乗り越えて長期的な成長軌道を維持しており、今後は半導体センサーやイメージセンサーなどの光半導体分野での成長が期待されている。世界のFoundry市場は2023年には8万米ドルを超える規模に達すると予想され、Pure Play Foundry市場が全体の成長をけん引する構造となっている。調査では日本、米国、中国、欧州、台湾、韓国などの主要国・地域における製造装置、原料、部品の生産・販売状況を詳細に分析している。半導体製造装置市場は645億米ドル規模であり、消費地として韓国、台湾、北米が大きな割合を占める一方、中国市場の急速な拡大が注目されている。技術面では、メモリの微細化から3D化への転換によりエッチング技術の重要性が増し、7nm以下の微細加工ではEUV露光装置とレジスト材料開発が重要になっている。実機調査においては、ヒューレット・パッカード・エンタープライズ社のネットワーク機器を分析し、インテルとNVIDIAのチップで基本構成されている状況を確認している。
