令和元年度石油・ガス供給等に係る保安対策調査等事業(バルク貯槽告示検査方法効率化技術及びLPガス配管内圧力等の測定・点検システムに係る調査研究)に関する報告書〔バルク貯槽告示検査方法効率化技術に係る調査研究〕

掲載日: 2020年8月12日
委託元: 経済産業省
担当課室: 産業保安グループガス安全室
委託事業者: 高圧ガス保安協会
元の掲載ページ: 掲載元を見る
令和元年度石油・ガス供給等に係る保安対策調査等事業(バルク貯槽告示検査方法効率化技術及びLPガス配管内圧力等の測定・点検システムに係る調査研究)に関する報告書〔バルク貯槽告示検査方法効率化技術に係る調査研究〕のサムネイル

報告書概要

この報告は、民生用バルク貯槽の告示検査方法効率化技術について書かれた報告書である。平成9年に導入されたバルク供給システムで30万基以上製造されたバルク貯槽は、製造後20年で初回告示検査、その後5年毎の告示検査が義務付けられているが、現行の検査方法では作業性や経済性の問題から多くが廃棄され新規設置されている状況である。告示検査には外観検査、耐圧試験、気密試験が含まれ、バルク貯槽を撤去・運搬し残留ガスを回収してから実施する必要があるため負荷が大きい。本調査では、初回告示検査後のバルク貯槽を対象に経年劣化調査を実施し、2回目以降の告示検査方法合理化の可能性を検討した。外面検査の妥当性検討では、沿岸部であっても腐食が顕著でない一方で内陸部でも著しい腐食が見られるなど設置場所を問わず腐食が確認された。特に竪型貯槽の頂部・底部、横型貯槽の底部・背面など日常点検で見過ごされやすい部位に著しい腐食が発生していた。内面検査方法の妥当性検討では、残留ガスの成分分析及び腐食性試験を実施した結果、硫化水素は検出限界未満で銅板腐食試験も基準値以下であり残留ガスに腐食性はなかった。内部表面観察では軽微な浮き錆は見られたが最大50μm程度の減肉で一般的な腐食速度と比較して十分小さいものであった。非破壊検査の妥当性評価では、蛍光磁粉探傷試験により製造時由来のオーバーラップやクレータ割れが検出されたが進展性のある割れのような欠陥は検出されなかった。検査手法の作業性評価では、密閉型磁粉探傷試験による現場検証を行ったが欠陥検知能力に限界があり設置状況によって試験困難な箇所があることが判明した。技術基準案として、2回目告示検査における気密試験の代替方法として、附属機器取り外し修理交換を行う場合を除きバルク貯槽内LPガスの自圧による漏えい検査を提案した。