令和元年度「地域中小企業人材確保支援等事業(中核人材確保スキーム事業)」事業実施報告書
報告書概要
この報告は、中小企業の経営課題解決を目的とした中核人材(主にミドル・シニア)の多様な働き方での人材活用提案・マッチング・定着支援に関するスキーム構築について書かれた報告書である。
本事業では、中小企業の中核人材確保という重要な経営課題に対応するため、6つの実証機関において連携スキームの構築と実践が行われた。主な対象は東京都内の大企業で就業するミドル中核人材と、今後人口増加が見込まれるミドル・シニア中核人材であり、これらの人材の多様な働き方を促進することで地域経済の活性化を図った。転職希望のミドル中核人材に対しては中小企業で働く魅力の理解促進とスキル棚卸や職住近接の実現支援を行い、シニア中核人材に対してはスキルや経験を活かしながら業務委託・派遣契約等のライフスタイルに合わせた働き方を提供した。
実証を通じて得られた主要な成果として、中小企業の中核人材確保に係る課題対応における5つの重要な視点が明確化され、連携スキームの4つの類型が整理された。さらに、具体的な連携スキーム例と人材確保支援の実践ノウハウが蓄積された。各実証機関では、静岡商工会議所による県内企業の副業活用促進、大阪産業局による商工会議所との連携による段階的支援、パソナによる地方企業と都市圏副業希望者のマッチングワークショップなど、多様なアプローチが実践された。これらの取組により、経営課題の明確化から中核人材との定着まで、他の専門機関と連携しながらシームレスに支援を行う体制が構築され、中小企業における効果的な人材確保手法が確立された。
