令和元年度ローカルクールジャパン推進事業(消費促進環境整備調査等事業)業務実施報告書

掲載日: 2020年8月14日
委託元: 経済産業省
担当課室: 商務・サービスグループクールジャパン政策課
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報告書概要

この報告は、デジタル技術を活用したスマートリゾート戦略の策定について書かれた報告書である。

2020年東京オリンピック・パラリンピックを契機として、日本が世界から注目を集める中で、デジタル技術を活用して訪日客の誘客や消費促進を図り、地域の生産性と持続性を高める観光産業地域づくりのための戦略策定手法を明らかにすることを目的としている。政府の観光ビジョンでは2020年までに訪日外国人旅行者4000万人、消費額8兆円、2030年までに6000万人、15兆円という目標が設定されており、これらの達成に向けてクールジャパン政策とデジタル技術の活用が求められている。

報告書では、まず観光分野におけるデジタル技術利活用の需要や技術動向を調査している。特に1980年代から2010年代に生まれたミレニアル世代やジェネレーションZといったデジタルネイティブ世代が旅行市場の中心となりつつあり、2030年には最大シェアを占めると予測される。これらの世代は日常生活で利用するテクノロジーを旅行先でも当然のように期待し、個人データを提供することで快適な旅行体験を得ようとするスマートツーリストの特徴を持つ。

技術動向については、5G通信システム、Wi-Fi6、IoT、顔認証システムなど多岐にわたる技術が紹介されている。これらの技術は超高速通信、超低遅延、多数同時接続を可能にし、観光地での利便性向上に貢献する。また中国、韓国、シンガポール、ヨーロッパ、スペイン、アメリカなど先進地域のデジタル技術活用事例を詳細に調査し、各国の取り組みから学ぶべき点を抽出している。

モデル地域として鎌倉市と会津若松市を選定し、具体的なスマートリゾート戦略を策定した。鎌倉市は観光基盤先進モデル地域として、会津若松市はデジタル基盤先進モデル地域として位置づけられ、それぞれの特性を活かした戦略が検討されている。最終的に、これらの成果を踏まえて国内他地域への適用手法をハンドブックとして整理し、観光産業を生業とする地域のスマートリゾート化に向けた基本構造と実現ポイントが示されている。