令和元年度ITを用いて課題解決等を行う「ITものづくりブリッジ人材」育成に係る調査事業報告書(概要版)
報告書概要
この報告は、ITを用いて課題解決等を行う「ITものづくりブリッジ人材」の育成について書かれた報告書である。中部経済産業局が事務局を担う東海産業競争力協議会では、Society5.0の実現に向けた東海地域の産業競争力強化戦略において、新たなビジネスを生み出すネットワーク・場づくり、ITものづくりブリッジ人材の育成、新技術等の社会実装を通じた新たな経済社会システム構築の3つをアクションとして掲げた。本事業では、産学の協働領域であり生産性向上を担う中核的人材として期待されるAタイプ人材に焦点を絞り、自社内の単一・明確な課題解決に向けた分析・定式化を行い、ITによる課題解決の達成が可能な人材の育成カリキュラム案の検討を行った。カリキュラム検討では、調査スコープの設定、個別事例収集及び分析、検討委員会を通じたカリキュラムの検討、ブリッジ人材育成のためのカリキュラム策定という手順で進められた。検討委員会は、名古屋工業大学や名古屋大学の学識者、株式会社デンソーや日進工業株式会社等のものづくり企業、愛知銀行等の金融機関、名古屋商工会議所等の商工団体の委員で構成された。ブリッジ人材に必要なリテラシー・スキルとして、工程俯瞰・分解力、課題の原因究明に向けた仮説構築力、可視化すべきデータを選定する力、データ収集のためのITツールを選定する力、データを読み解く分析力、課題解決の方策案を洗い出す力、費用対効果を含め多面的な検討を行うための知識、改善策に係る遂行能力が整理された。カリキュラムは全10回で構成され、工程把握、課題発掘、データの検討・収集、対応策実現のための多面的な検討という課題解決プロセスに沿って体系化されている。
