令和元年度経済産業省デジタルプラットフォーム構築事業(デジタルガバメントに関する諸外国における先進事例の実態調査)報告書
報告書概要
この報告は、デジタルガバメントに関する諸外国の先進事例について書かれた報告書である。経済産業省が令和元年度に実施した調査で、米国、英国、エストニア、シンガポール、中国、インド、デンマーク、韓国の8か国を対象としている。調査項目は法制度・行政内ルール、システムアーキテクチャー、基本データ(Baseregistry)、政府の調達手法、行政における先進事例の5つの観点から構成されている。各国のデジタルガバメントの進展度合いは、データ管理の一貫性・データ連携環境の整備状況、行政機関横断的な共通アーキテクチャーの採用状況、政府によるデジタルサービスの社会インフラとしての浸透度の3ポイントで類型化されている。データ一元管理については、エストニアやシンガポールなど規模の小さい国では政府主導でBase Registryが明確に整備されているのに対し、米国や英国ではデータ標準策定に留まっている。共通アーキテクチャーについては、デンマークや韓国では官民連携で階層化されたアーキテクチャーを採用しているが、米国や英国では共通アーキテクチャーの採用に至っていない。社会インフラとしての浸透度では、エストニアでは社会全体のデジタライゼーションが進展しているのに対し、米国や英国ではデジタルサービスの開発・浸透が十分とはいえない状況である。IT調達手法では、プロジェクトパフォーマンスの電子ダッシュボードによる公開、ユーザテストや投資対効果に基づくプロジェクト管理、重複投資の抑止、アジャイル開発におけるベンダー評価などの先進的な取組が各国で見られている。
