令和元年度二国間クレジット取得等のためのインフラ整備調査事業(CCUS国際連携事業)報告書(日本語版)
報告書概要
この報告は、経済産業省による令和元年度二国間クレジット取得等のためのインフラ整備調査事業(CCUS国際連携事業)について書かれた報告書である。
本事業は、二酸化炭素の回収・利用・貯留技術(CCUS)の国際展開を目的として実施された。主要な構成要素として、CCUS案件形成事業における事務局業務の実施、欧米等におけるCCUSの推進・規制に係る関連法令の調査、CCUS案件形成事業に関するポテンシャルの評価が含まれている。
事務局業務では、公募要領の作成から公募の実施、案件の選定・採択、採択案件の実施委託及び進捗管理、調査支援が行われた。採択案件として、味の素株式会社、石油資源開発株式会社、日本エヌ・ユー・エス株式会社、一般財団法人日本エネルギー経済研究所の4つの事業者による調査研究が実施された。
法令調査では、米国、カナダ、EU、英国、ノルウェー、中国等におけるCCUS/CCSに係る法規制の整備状況、インセンティブ制度の詳細な分析が実施された。各国の規制枠組み、許可制度、財政保証、閉鎖後管理等の重要項目について体系的に整理されている。
ポテンシャル評価では、世界各国のCCUS動向調査、CO2貯留地域に関する調査、排出源と貯留地域のマッチング分析が行われた。特にJCMパートナー国であるインドネシア、インド、タイ等のアジア諸国を中心に、大規模排出源と近距離貯留地域の組み合わせによる実現可能性が検討された。また、ハブ・クラスターモデルや越境事例の分析、CO2利用技術のポテンシャル評価も実施されている。
本調査の結果は、CCUS技術の国際展開とJCM制度への統合に向けた重要な基盤情報を提供している。
