令和元年度中小企業相談窓口(商工会等)の働き方相談対応能力向上支援事業「中小企業相談窓口の対応能力の評価分析に関する報告」

掲載日: 2020年8月18日
委託元: 経済産業省
担当課室: 中小企業庁経営支援部小規模企業振興課
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報告書概要

この報告は、中小企業相談窓口における働き方改革関連の労務相談対応能力の向上を目的とした事業について書かれた報告書である。平成31年4月から働き方改革関連法が順次施行されることを受けて、商工会・商工会議所等の中小企業相談窓口職員の労務分野における相談対応能力を強化するため、社会保険労務士等の専門家による労務知識研修と実地での相談対応OJTを全国で実施した。事業では全国に349名の社会保険労務士を配置し、令和元年10月から令和2年2月にかけて、18都道府県29か所で30回の研修を実施し、計444名の職員が受講した。研修では労働法令の基礎知識、働き方改革関連法の改正ポイント、労働保険・社会保険制度、社会保険労務士の独占業務について120分で教授した。また、労務相談OJTを101回実施し、実際の相談対応における指導を行った。専門家からの報告によると、相談窓口職員の学習意欲は高く、働き方改革への関心も強いことが確認された。一方で、労務知識の不足や誤解、経営側に偏った対応への懸念、同一労働同一賃金の理解不足、社会保険労務士の独占業務への抵触リスクなどの課題も指摘された。今後、働き方改革の本質は単なる法令対応ではなく企業価値の再定義やビジネスモデルの変革を伴うものであり、中小企業相談窓口は複合的な経営相談に対応できる役割が期待される。