令和元年度経済産業省デジタルプラットフォーム構築事業補助金申請システムの利用拡大に向けたシステム導入支援及びシステムの在り方検討、調査等業務調査報告書
報告書概要
この報告は、経済産業省の補助金申請システム(jGrants)の利用拡大に向けたシステム導入支援および将来的なシステムの在り方検討について書かれた報告書である。
本調査事業では、令和元年度において経済産業省内の25の補助金事業を対象として、既存の補助金申請システムの導入支援と将来アーキテクチャに基づく新たな補助金システムの検討を実施した。導入支援については、対象補助金の事務局向けに説明会を開催し、書面調査やヒアリングを通じて各補助金の業務特性を把握し、既存8類型への分類分析を行った。また、個別相談会の実施や問合せ対応体制の構築により、実際の運用開始に向けた具体的な支援を提供した。
システムの在り方検討では、補助金システムが提供すべき価値とその実現方法について検討し、将来アーキテクチャの構成要素としてマイクロサービス化やクラウドネイティブな開発手法を提案した。機能要件および非機能要件の整理を行い、他システムとのインターフェイス設計や民間サービスへのAPI公開要件についても検討を実施した。さらに、データモデルの標準化やマスタサービスの設計により、省庁横断的な補助金業務の効率化を図る仕組みを構築した。
運営コストの観点から料金体系の設定案を検討し、利用者の費用削減効果をシミュレーションした結果、従来の個別システム開発と比較して大幅なコスト削減効果が期待できることを示した。また、料金徴収方法については利用量に応じた従量制課金モデルを提案し、各省庁の予算制約に配慮した柔軟な料金設定の仕組みを検討した。本調査により、補助金業務のデジタル化推進に向けた具体的な実装方針と運用体制が明確化され、今後の省庁展開に向けた基盤が整備された。
