令和元年度エネルギー需給構造高度化対策に関する調査等事業(技術革新等によるエネルギー需要の変化に対応した省エネ関連制度等のあり方に関する調査)調査報告書
報告書概要
この報告は、技術革新等によるエネルギー需要の変化に対応した省エネ関連制度等のあり方について書かれた報告書である。平成27年に策定されたエネルギーミックスでは、石油危機後と同等のエネルギー効率改善を実現し、平成42年度に原油換算5030万キロリットル程度の省エネを達成するという目標が示された。今後、人工知能、IoT、ビッグデータの活用等の革新的なイノベーションにより、新たな事業形態の創出や社会システムの変革が見込まれる中、これらの変革に伴うエネルギー需要構造の変化の可能性を把握する必要があるとされている。
本調査は、新たな事業形態の創出や社会システムの変革によるエネルギー需要の変化をプロジェクトベースで調査・把握することにより、将来的なエネルギー需給構造の変化の可能性を検証し、省エネ施策検討の際の基礎資料とすることを目的として実施された。調査対象となるシステム・サービス等については、未来投資戦略2017における戦略分野を参考に、健康寿命の延伸、移動革命の実現、サプライチェーンの次世代化、働き手不足の対策、FinTechの5つの軸で整理している。
健康寿命の延伸では、AI を活用した診療支援サービスやロボットによる日常生活のアシストサービス、センサー等を活用した見守りサービス等が該当する。移動革命の実現では、ドローン配達・ロボット配送やオンデマンド配送、宅配ボックス、オンデマンド交通や自動運転車等が含まれる。諸外国における新たなシステム・サービス等の政策的位置づけについては、主要国の長期戦略において運輸部門でカーシェアリングやライドシェアリング、モーダルシフト等の新たな輸送システム・サービスの利用促進が目指すべき姿として記載されており、脱炭素化社会の実現のためには技術的、社会的及び経済的なイノベーションを後押しする施策が必要であるとされている。
