平成31年度エネルギー需給構造高度化対策に関する調査等事業(水素・燃料電池戦略ロードマップの進捗確認及び国内外における水素・燃料電池利活用状況調査)調査報告書

掲載日: 2020年8月25日
委託元: 経済産業省
担当課室: 資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部新エネルギーシステム課水素・燃料電池戦略室
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平成31年度エネルギー需給構造高度化対策に関する調査等事業(水素・燃料電池戦略ロードマップの進捗確認及び国内外における水素・燃料電池利活用状況調査)調査報告書のサムネイル

報告書概要

この報告は、平成31年度に実施された水素・燃料電池戦略ロードマップの進捗確認及び国内外における水素・燃料電池利活用状況に関する調査報告書である。我が国のエネルギー安全保障の確保と温室効果ガス排出削減の同時実現に向けて、水素社会の実現を目指した水素基本戦略とエネルギー基本計画を着実に実行するための現状分析と将来見通しが示されている。

国内動向については、ロシアとの水素輸出プロジェクトの共同研究合意や日豪間での水素普及に向けた共同声明の発表など、国際協力による安価な海外エネルギー資源確保に向けた取り組みが進展している。技術面では川崎重工業による水素液化設備の効率向上と世界初の液化水素運搬船の開発、有機ハイドライドサプライチェーンの実証プロジェクトにおけるブルネイから日本への水素輸送実現など、サプライチェーン構築に向けた重要な成果が得られている。

調査では国内外の動向分析、関係者へのアンケート・ヒアリング調査、水素・燃料電池戦略協議会の開催を通じて、ロードマップに記載された産学官の取り組み進捗状況を網羅的に確認した。固体高分子形燃料電池(PEFC)分野では有機系複雑構造解析技術の開発、Pt触媒の高活性化、電解質膜耐久性向上が国家プロジェクトとして重要であると評価された。固体酸化物形燃料電池(SOFC)分野では耐久性迅速評価方法と業務用システムの実用化技術実証が重要テーマとして位置づけられている。

今後の検討課題として、P2Gの地域特性に応じた導入ポテンシャル、水素サプライチェーンのコスト低減と定量的目標設定、水素発電における脱水素反応効率の検討、モビリティ分野での水素ステーション標準化とコストダウン効果の明確化、エネファームの使用方法によるランニングコスト低減技術、水素社会を担う人材育成の推進などが挙げられている。