平成31年度中小企業実態調査事業(地域金融における小規模事業者の評価動向調査)報告書
報告書概要
この報告は、地域金融における小規模事業者の評価動向について書かれた報告書である。中小企業庁が株式会社ドゥリサーチ研究所に委託し、平成31年度に実施された調査の結果をまとめている。調査の背景として、企業規模が小さくなるほど情報の非対称性が大きくなり、金融上の企業評価が困難になっている現状がある。このため、小規模事業者向けの金融支援手法の高度化を図ることを目的として、商工会・商工会議所や金融機関が地域に密着した小規模事業者に支援を行う際の企業評価に関する課題を分析している。調査は人口8~10万人程度の地方都市2地域を対象とし、商工会・商工会議所にて40件の事業者をリストアップし、それらの事業者について書面アンケートを実施した。さらに地域金融機関側では同一事業者について事業性評価情報シートを作成し、評価にかかったコストや信用力への影響を測定している。対象事業者の属性を見ると、X市では総合工事業が3件と最も多く、Y市では木材・木製品製造業、金属製品製造業、その他の小売業が各3件となっている。全ての対象事業者が商工会・商工会議所の会員であることが確認されている。調査では商工会・商工会議所による事業者の推薦理由や経営指導の実績、融資実現の有無などを把握するとともに、地域金融機関による決算情報の評価、事業性評価の実施結果、信用力への影響を詳細に分析している。
