令和元年度内外一体の経済成長戦略構築にかかる国際経済調査事業(諸外国における需給調整市場関連制度及び託送料金負担に関する制度の検討状況等に係る調査事業)調査報告書
報告書概要
この報告は、諸外国における需給調整市場関連制度及び託送料金負担に関する制度の検討状況等について書かれた報告書である。我が国では2021年度に需給調整市場創設が予定されており、それに伴って新たなインバランス料金制度や需給関連情報のタイムリーな情報公表も開始されることから、電力・ガス取引監視等委員会では具体的な市場ルール、インバランス料金制度、監視の在り方等の検討を行っている。本調査では、諸外国の関連制度や事業者の取り組み等について、電力・ガス取引監視等委員会における具体的な検討に資する知見を得ることを目的として実施された。調査内容は需給調整市場創設及び新たなインバランス料金制度の開始に向けた調査、太陽光発電及び風力発電の割合が大きい諸外国における計画値同時同量制度等に関する調査、新技術導入等を踏まえた託送料金制度等の制度設計に関する調査の三つの重要調査事項から構成されている。英国、ドイツ、北欧における需給調整市場では、周波数制御予備力や周波数回復予備力など複数の調整力商品が設計されており、それぞれ異なる応動時間と継続時間を持つ商品として整理されている。また、太陽光や風力発電の予測精度向上に向けた各国の取り組みや、レベニューキャップ制度を導入している英国、ドイツ、ノルウェーにおける託送料金制度の詳細な分析が行われている。これらの調査結果は、我が国の電力市場制度設計における重要な参考資料となるものである。