令和元年度中小企業実態調査事業(型管理の適正化の加速化に向けた調査事業)調査報告書
報告書概要
この報告は、型管理の適正化の加速化に向けて実施された中小企業実態調査事業について書かれた報告書である。経済産業省が委託した本事業は、2016年に発表された「未来志向型の取引慣行に向けて」の重点課題である型管理の適正化を推進するため、型の廃棄・保管に関する課題解決を目的として実施された。2018年から2019年にかけて行われた調査では、特に型保管・廃棄に関して受発注者間の評価にギャップがあり、改善の動きが鈍いことが指摘されていた。本事業では3つのタスクが設定され、タスク1では型の廃棄・保管の目安となる具体的事例の収集及び体系化、タスク2では地域・現場における代表的個別課題の抽出及び解決、タスク3では取引適正化施策への反映に向けた必要事項の検討が行われた。タスク1の調査では、自動車産業、産業機械産業、電気・電子・情報関連産業の3業界を対象とし、鋳造、鍛造、ダイカスト、金属プレスの4業種において、素形材4団体の会員企業38社から型の廃棄実績についてヒアリングを実施した。調査結果によると、自動車産業では量産終了後15年、産業機械産業では15年、電機・電子・情報関連産業では10年が最も遅い型廃棄の起点であることが判明し、遅くとも量産終了後10~15年経過した型は廃棄や返却対象とされる例が多いことが明らかになった。また、型の保管に関する調査では22社を対象として、保管費用算出の根拠となる項目について調査を行い、主要項目と補足項目に分類して提示された。
