令和元年度産業技術調査事業(「産学官連携による共同研究強化のためのガイドライン」の実効性確保のための調査)調査報告書
報告書概要
この報告は、産学官連携による共同研究強化のためのガイドラインの実効性確保について書かれた報告書である。
経済産業省委託により、企業から大学等への投資額3倍増という政府目標のもと策定された産学官連携ガイドラインと大学ファクトブックについて、その実効性を確保するための調査が実施された。平成30年度の調査で、ガイドラインに基づく大学改革は進捗しているものの道半ばであり、産業界へのアプローチ不足が指摘されていた。
令和元年度の調査では、大学改革を加速し産業界への働きかけを強化するため、国内の国公私立大学776機関を対象としたアンケート調査を実施し、407大学から回答を得た。調査の結果、共同研究については50件以下の大学が約8割を占め、共同研究額については100万円未満の大学が約半数を占める一方で、大規模な共同研究を行う大学も一定数存在することが明らかになった。
また、産学連携の実効性向上を図るため、11名の有識者からなる実効性向上タスクフォースを設置し、計3回の会合を開催した。さらに、産学連携に積極的に取り組む10大学を選定してヒアリング調査を実施し、大学改革の事例について詳細な聞き取りを行った。これらの調査結果に基づき、大学の本部機能強化、資金・知・人材の好循環の実現に向けた課題と方策について分析を行い、組織対組織の産学連携をさらに進めるための具体的な提言をまとめている。
