令和元年度就業構造基本調査等に関する再編加工に係る委託事業- 報告書 -

掲載日: 2020年10月9日
委託元: 経済産業省
担当課室: 中小企業庁事業環境部調査室
委託事業者: 株式会社アリス
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報告書概要

この報告は、就業構造基本調査等を用いて中小企業等の雇用実態を分析した報告書である。

調査の目的は、中小企業政策の企画立案および中小企業白書・小規模企業白書作成のための基礎資料として、中小企業等の実態を様々な側面から把握することであった。分析では、市区町村を人口密度の四分位で4つの区分に分けて比較検討を行った。

主要な分析項目として、就業構造基本調査による雇用実態では、市区町村別・男女別・就業先規模別における就業者の年齢構成の推移、有業・無業の比率の推移、有業者の平均就業時間等を分析した。また、全国就業実態パネル調査では、育児中の女性、定年経験者、経営者の3つのグループに焦点を当て、それぞれの労働状況、雇用形態、仕事への満足度等を地域別に詳細に分析した。

分析結果から、女性や高齢者の就業状況について6つの重要な傾向が明らかとなった。まず、女性や高齢者の就業率は人口密度が低い地域ほど比較的高くなる傾向がある。次に、女性従業者や60歳以上の従業者の全従業者に占める割合は、従業者規模が小さくなるほど高くなる傾向がある。さらに、女性従業者や60歳以上の従業者の雇用形態については、従業者規模が小さくなるほど正規雇用されている割合が高くなる傾向がある。また、女性従業者や65歳以上の従業者の就業年数は、従業者規模が小さくなるほど長くなる傾向がある。出産・育児からの復職女性の就業先と定年退職後の就業先については、いずれも従業者規模が小さい企業が占める割合が高い傾向がある。

これらの結果から、小規模企業が女性や高齢者の就業の受け皿となっており、重要な就業機会を提供していることが明らかとなった。したがって、今後は小規模企業において女性や高齢者がより柔軟な働き方ができる環境を整備していくことが、一億総活躍社会の実現に向けて必要不可欠な取り組みとなることが示唆された。