令和元年度高度な自動走行システムの社会実装に向けた研究開発・実証事業:自動走行の実現に向けた産学官の協調戦略、実証事業の推進調査報告書
報告書概要
この報告は、令和元年度における高度な自動走行システムの社会実装に向けた研究開発・実証事業について書かれた報告書である。自動車産業がCASE(コネクテッド、自動走行、サービスとシェアリング、電気自動車)という100年に一度の変革期にある中で、我が国の自動走行技術の実現に向けた産学官の協調戦略と実証事業の推進状況が整理されている。報告書では、2015年に設置された自動走行ビジネス検討会を中心とした5年間の取組実績を振り返り、無人自動運転サービスの実現及び普及に向けたロードマップの策定が主要な焦点となっている。具体的には、走行環境を閉鎖空間、限定空間、自動車専用空間、交通環境整備空間、混在空間の5つの基本的類型に分類し、各環境における自動運転の実現時期と技術レベルを検討した結果が示されている。国内外の動向を踏まえると、サービスカーにおいては2020年以降に限定地域での無人自動運転サービスが順次開始され、2020年代の早い時期にレベル4の実現が可能であると分析されている。協調領域の取組については、安全性評価、認識技術、判断技術、国際的な基準・標準化など10の重点領域において産学官が連携した技術開発が継続されており、特に安全性評価では高速道路の32シナリオにおけるクライテリアの検討が国際的な議論を先導しながら進められている。また、走行映像データや事故データの利活用基盤が整備され、AI開発等の新たな技術研究の裾野拡大に向けた環境が構築されている。
