令和元年度商取引・サービス環境の適正化に係る事業(オペレーションの省力化等に資するComputer Visionの技術動向等調査)調査報告書

掲載日: 2020年10月12日
委託元: 経済産業省
担当課室: 商務・サービスグループ消費・流通政策課
元の掲載ページ: 掲載元を見る
令和元年度商取引・サービス環境の適正化に係る事業(オペレーションの省力化等に資するComputer Visionの技術動向等調査)調査報告書のサムネイル

報告書概要

この報告は、オペレーションの省力化等に資するComputer Visionの技術動向等について書かれた報告書である。

流通業・物流業では少子高齢化による人手不足と賃金高騰により、コンビニの24時間営業や物流クライシスといった問題が顕在化している。そこでIoT技術のComputer Visionを活用した店頭の棚の可視化、欠品監視、ロボットによるピッキング等により、オペレーションの省力化が期待されている。しかしComputer Visionの活用には商品個品ごとの画像、特に3D画像が必要だが、現状では2D画像のデータ整備にとどまっている状況である。

本調査では、Computer Visionの最新技術、画像データ整備技術、オペレーションを行うAI技術について国内外の動向を文献調査とヒアリング調査により調べた。また小売業者や物流業者等による検討会を3回開催し、ユーザーが省力化を期待するオペレーション、Computer Visionのユースケース、必要なスペックのレベル分け、技術連携のための標準化について検討を行った。

調査結果から、ユーザーが期待するオペレーションとComputer Visionのユースケースを類型化し、業態毎に整理した。特にマスター画像整備については、商品・個品識別のための基本方針として、解像度やアングル数と適用業務との関係を明確化した。解像度は識別対象の単位面積当たりの画素数として表現し、業務に見合う適切なアングル数を示唆した。マスター画像には商品情報等の付帯情報が必要であり、共用環境整備により複数企業での利用が可能となることでコスト削減等のメリットが生まれることを示した。

マスター画像整備のインセンティブとして、画像登録者への報酬制度や、一定量の画像提供を条件とした無償利用許可、ポイント制などの仕組みを提案した。また消費者メリットとして、冷蔵庫でのComputer Vision活用による保有商品の把握など新サービス創出の可能性を示した。今後は実証事業による有効性の提示や、バーコード・RFIDとの補完的利用による最適な住み分けが重要であると結論している。