平成31年度燃料安定供給対策に関する調査(諸外国のエネルギー政策動向及び国際エネルギー統計等調査事業)―国際エネルギー統計等調査事業報告書―
報告書概要
この報告は、平成31年度燃料安定供給対策に関する調査における国際エネルギー統計等調査事業について書かれた報告書である。本調査は、国際エネルギー機関(IEA)が中心となって整備する世界的なエネルギー統計の透明化と高度化を実現し、アジア・太平洋地域における急速なエネルギー需要増大や価格不安定要因に対応することを目的としている。
調査の主要な作業内容は、IEAが各加盟国に送付する年次質問票、月次質問票、エネルギー効率指標等の各種データ収集への対応である。具体的には、石油、天然ガス、石炭、電力、再生可能エネルギーに関する年次データ、Monthly Oil And Gas Statistics(MOS)データ、Joint Organizations Data Initiative(JODI)データ、Standing Group on Long-Term Co-operation(SLT)質問票による長期エネルギー需給見通しデータ等を提供している。
日本エネルギー経済研究所が資源エネルギー庁の協力のもと、国内の各種エネルギー統計データを収集・加工し、IEAの要求に応じた質問票への記入・提供を実施している。これらのデータは、「World Energy Balances」、「World Energy Statistics」、「Oil Market Report」等の信頼度の高い世界規模のエネルギー統計や見通しの基礎となっている。また、エネルギー起源二酸化炭素排出量推計にも活用されている。
報告書では、2018年度改訂に伴う各質問票の変更点について詳細に説明されており、石炭質問票、石油質問票、ガス質問票、電力質問票、再生可能エネルギー質問票それぞれについて、IEAとの協議事項や記入方針が示されている。特に、緊急時対応審査では、石油供給途絶を想定した訓練の一環として、指定された質問表にデータを迅速に入力し提出することが求められ、2019年度は日本が審査対象となった。
このような国際協力を通じて、わが国のエネルギー安全保障の向上に資する基礎的な統計データの整備が推進されている。
