平成31年度地球温暖化問題等対策調査事業(バーゼル法関連事前相談業務)相談実績等年次報告書
報告書概要
この報告は、平成31年度に実施されたバーゼル法関連事前相談業務について書かれた報告書である。経済産業省から一般財団法人日本環境衛生センターが受託したこの業務は、輸出入業者からの相談に応じて、輸出入貨物がバーゼル法に規定する特定有害廃棄物等に該当するか否かを判断し回答する事前相談業務の実施体制強化を目的としている。近年のアジア各国の経済成長に伴い再生資源等の輸出量が増加し、これらの中にはバーゼル条約やバーゼル法の規制対象物に該当する可能性があるものが含まれるため、不適正輸出入を防止することが重要となっている。
相談対象品目はプラスチックスクラップ、メタルスクラップ、廃遊技機、中古製品などであり、相談者は事前相談書と関係書類を提出し、原則として翌日までに電話で回答を受ける仕組みとなっている。平成31年度の相談実施件数は総計41,016件で、このうち廃プラが52.6%、メタルスクラップが43.0%を占めている。輸出相談が99.2%と大部分を占め、相手国別では中国向けが最も多く、次いでベトナム、韓国の順となっている。相談者の業種では商社が35.3%、次いで中古品販売業が19.3%、リサイクル業が17.4%であった。
事前相談結果では、バーゼル法規制対象となる案件が8.1%、対象外が91.9%となっており、品目別にみると廃遊技機では規制対象が53.3%と高い割合を示している。また、利用者満足度調査では67%が「満足している」と回答し、迅速かつ丁寧な対応が評価されている一方で、相談書類のメール対応や各国規制情報の迅速な発信などの要望も寄せられている。この事前相談業務により、再生資源・廃棄物原料等の適正な輸出入促進とバーゼル条約の適正履行確保に貢献していることが確認された。
