平成31年度地球温暖化・資源循環対策等に資する調査委託費(循環経済(Circular Economy)に関する国際動向調査)報告書
報告書概要
この報告は、EU及び主要国における循環経済(Circular Economy)に関する国際動向について調査した報告書である。EUが循環経済パッケージに基づいて循環経済への移行を促進する政策検討を進めていることや、ISOにおいて循環経済に関する技術委員会が設置され標準化に向けた検討が進められていることなど、世界的な循環経済への取組が拡大している状況を受けて実施された調査である。
調査では、2020年3月に発表された新循環経済行動計画を中心に、EU及び主要国の資源循環分野の現状と政策動向を文献調査と海外現地調査により体系的に整理している。新循環経済行動計画は欧州グリーンディール政策の一部として位置づけられ、持続可能な製品を規範とし、消費者の権利強化、重点セクターでの具体的行動、廃棄物削減を主要措置としている。特に電子機器とICT、電池と自動車、容器包装、プラスチック、繊維、建設、食品の各セクターで具体的な取組が開始される予定である。
米国については、政府による持続可能な材料管理(SMM)の取組や産業界の循環経済への取組、リチウムイオンバッテリーの輸送規制、プラスチックリサイクルの動向を調査している。また、ISO/TC323における循環経済の標準化動向についても詳細に分析し、我が国産業への影響分析と対応策を検討している。
我が国産業への影響分析では、エコデザイン、プラスチック、新循環経済行動計画等の分野で具体的な影響を評価し、対応策を提示している。さらに、日本・欧州・米国それぞれの強みを活かした協力可能性を検討し、エコデザイン、プラスチック、リチウムイオンバッテリー、繊維の各分野において国際標準化、政策、アライアンス、研究開発の観点から協力の方向性を示している。