令和元年度エネルギー需給構造高度化対策に関する調査等事業(洋上風力に係る官民連携の在り方の検討(サプライチェーン形成に向けた仕組みの検討等)のための調査)成果報告書
報告書概要
この報告は、洋上風力発電に係る官民連携の在り方とサプライチェーン形成について書かれた報告書である。世界における洋上風力発電の導入実績と将来見通しを示し、主要国であるドイツ、英国、台湾における産業政策の特徴を詳細に分析している。英国では産業戦略白書やサプライチェーン計画書を通じて国内調達比率の向上を図り、2030年に向けた目標を設定している。ドイツにおいては洋上風力産業における雇用者数や売上高の推移を予測し、Alpha Ventus洋上風力発電所の事例を通じて部品調達先の国際的な分布を示している。台湾では離岸風力発電産業關聯執行方案計畫書による国産化ロードマップを策定し、コンポーネント別の段階的な国産化目標を設定している。洋上風力発電のコスト構造については、資本費、組立・設置費、運転維持費に分類して詳細に分析し、各構成要素の製造拠点や輸送に関する技術的要件を明らかにしている。また、拠点港に求められる要件として保守・管理機能や大型部品の取り扱い能力を整理し、英国のGrimsby港などの事例を参考に具体的な整備状況を示している。さらに、洋上風力産業におけるライフサイクル全体を通じた雇用創出効果を職業別・分野別に予測し、各国の産業振興政策における融資制度や補助金制度の体系的な整理を行っている。
