令和元年度エネルギー需給構造高度化対策に関する調査等事業(再生可能エネルギーに係る税制措置等による政策効果に関する調査)報告書

掲載日: 2020年11月26日
委託元: 経済産業省
担当課室: 資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部新エネルギー課
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令和元年度エネルギー需給構造高度化対策に関する調査等事業(再生可能エネルギーに係る税制措置等による政策効果に関する調査)報告書のサムネイル

報告書概要

この報告は、経済産業省が令和元年度に実施した再生可能エネルギーに係る税制措置等による政策効果に関する調査について書かれた報告書である。

本調査は、再生可能エネルギーの導入拡大に向けた税制措置の効果検証と、より効果的な支援制度の検討を目的として、PwCあらた有限責任監査法人により実施された。調査対象は、省エネ再エネ高度化投資促進税制、再生可能エネルギー発電設備に係る課税標準の特例措置、エネルギー環境負荷低減推進税制の三つの税制措置である。

調査方法として、再生可能エネルギー事業者を対象としたアンケート調査およびヒアリング調査が実施された。アンケート調査では、税制措置の利用実績、支援ニーズ、投資意欲への影響等について調査し、ヒアリング調査では、マイクログリッド型、防災対応型、オンサイトPPA型の各事業者から詳細な情報を収集した。

調査結果から、高度化税制は太陽光発電以外の電源で一定の適用実績があり、特例措置は太陽光発電において高い適用率を示した。税制措置により改善されたキャッシュフローは、主に事業拡大や借入金返済に活用されており、投資促進効果が確認された。特に固定資産税減税効果は投資意欲に大きな影響を与えることが判明した。

効果検証分析では、各税制措置による導入促進効果を定量的に評価した。高度化税制による導入促進実績は約92万kW、特例措置による実績は約1,018万kWと推計された。今後の導入促進効果についても、アンケート結果に基づく投資意欲の変化を考慮して推計が行われた。

さらに、オンサイトPPA型太陽光発電、マイクログリッド対応型再エネ発電、地域防災型再エネ発電の三つの事業モデルについて、税制措置によるキャッシュフロー改善効果が試算された。これらの分析により、各税制措置が事業性向上に与える具体的な効果が明らかとなった。本調査結果は、今後の再生可能エネルギー政策における税制措置の見直しと最適化に向けた重要な基礎資料となるものである。