平成31年度戦略的基盤技術高度化・連携事業(中小企業技術革新制度(SBIR)に関する調査)報告書(概要版)

掲載日: 2020年12月7日
委託元: 経済産業省
担当課室: 中小企業庁経営支援部技術・経営革新課
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報告書概要

この報告は、日本版SBIR制度の運用ルールと実施体制について書かれた報告書である。平成31年度中小企業技術革新制度調査として実施され、日本版SBIR制度における論点整理の概要版として作成されている。

報告書では、SBIR制度運用ルールの在り方について包括的に検討されており、制度の目的と理念、根拠法律、Policy Directiveの位置づけといった基本的な枠組みから詳細な運用方法まで体系的に整理されている。予算の仕組みと決定プロセス、フェーズ構造による事業フォーマット、公募から審査・採択、契約、モニタリング・支払い、評価に至る一連の流れが具体的に定められている。

特に重要な要素として、PM体制の構築と運用方法が詳細に検討されており、PMチームの構成例として、PM、PM補佐、執行業務担当、コーディネーターから成る体制が提示されている。PM人材の確保については、国立研究開発法人、事業会社、ベンチャーキャピタルの三つの輩出元を想定し、それぞれの可能性と実現方法が分析されている。国研からは出向制度の活用、事業会社からは直接雇用や業務委託、VCからは多様な勤務形態での確保が検討されている。

府省庁の役割分担についても明確化されており、特定補助金を執行する省庁には基本的役割からSBIR事業の設計・執行、採択企業への支援、モニタリング体制の構築までが求められている。一方、内閣府等の取りまとめ官庁には、データ収集・公表、公募情報プラットフォームの整備、制度評価と運用ルール見直し、各省の事業評価と改善要請といった統括的役割が期待されている。米国SBIRにおけるPolicy Directiveの重要性を踏まえ、日本版制度においても同様のルール策定の必要性が強調されており、多数の省庁が関わる制度を一体的に運用するための基盤整備が重要課題として位置づけられている。