令和元年度地域経済産業活性化対策等調査事業(北海道十勝地域の食・観光関連産業の連携による高付加価値化プロジェクト創出調査)調査報告書
報告書概要
この報告は、北海道十勝地域における食と観光関連産業の連携による高付加価値化プロジェクト創出に関する調査について書かれた報告書である。
令和元年度の地域経済産業活性化対策等調査事業として実施されたこの調査は、2020年東京オリンピック・パラリンピック開催に向けてインバウンド観光客数は増加しているものの、観光客一人当たりの消費額が横ばいとなっている状況を受けて企画された。北海道十勝地域では「フードバレーとかち」政策の推進や、食・観光関連事業者によるインバウンド取組みが活発化しているが、これらは個々の事業者による取組みに留まっているため、食と観光が連携した新たなインバウンド向けルートの策定を始めとする高付加価値な観光サービスの創出が必要とされている。
本調査では、経済産業省の富裕層インバウンド誘客・消費促進に関する動態を参考に、高付加価値な観光サービスの定義を明確化し、STP分析による戦略的アプローチを採用した。調査手法として、既往調査の分析、道内外の先進地事例調査、十勝管内事業者へのヒアリング調査を実施し、富裕層をターゲットとしたペルソナ像の設定を行った。さらに、地域の事業者や支援機関からなる検討会を3回開催し、参加者による協議を通じてモデルルートの策定と実施に必要な支援のあり方について検討を重ねた。先進事例調査では、飛騨・高山地域や函館市における食と観光の連携事例を詳細に調査し、成功要因の分析を行った。検討会では、中国都市部在住ファミリーをターゲットとして設定し、十勝地域の食文化や景観資源、多彩なアクティビティを活かしたモデルルートの複数案を作成した。最終的に、今後3年間の実施計画案と推進体制図を策定し、継続的な高付加価値観光サービス創出のためのロードマップを提示している。
