令和元年度内外一体の経済成長戦略構築にかかる国際経済調査事業(我が国循環経済構築に向けた調査)調査報告書

掲載日: 2020年12月8日
委託元: 経済産業省
担当課室: 産業技術環境局資源循環経済課
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報告書概要

この報告は、我が国における循環経済構築に向けた調査について書かれた報告書である。1999年に策定された循環経済ビジョンから20年が経過し、資源循環を取り巻く外部環境が大きく変化する中で、我が国の資源循環を次の段階へ発展させるための方向性を検討している。1990年代には高度経済成長により大量生産・大量消費・大量廃棄型社会に変化し、適正処理が困難な廃棄物の急増によって最終処分場の残余年数が逼迫していた。このような状況下で1999年循環経済ビジョンが策定され、リデュース・リユース・リサイクルの3Rを総合的に推進する循環経済システムへの転換が図られた。この結果、循環型社会形成推進基本法をはじめとする資源循環関連の法体系が整備され、家電リサイクル法などの個別リサイクル法により製品別に最適化された資源循環システムが構築された。我が国は拡大生産者責任の考え方のもと、動脈産業と静脈企業が連携して高い水準のリサイクルを達成し、最終処分量の大幅削減と最終処分場の残余年数の改善を実現した。しかし現在では、持続可能な開発目標の合意、ESG投資の拡大、消費者や投資家からの環境配慮要請の高まり、シェアリングエコノミーなどの新しいビジネスモデルの台頭、中国をはじめとする諸外国の固体廃棄物輸入規制など、資源循環を取り巻く環境が大きく変化している。欧州委員会の循環経済パッケージ政策においても、環境負荷低減と経済成長の同時達成がより強調されており、国際的にも循環経済への転換が求められている。このため、我が国の強みである製品ライフサイクル全体を考慮した製品設計や製品・サービスの循環性能デザインを活かしつつ、変化する外部環境に対応した新たな循環経済の方向性を検討することが必要となっている。