令和元年度産業経済研究委託事業(経済産業政策・第四次産業革命関係調査事業費(日本企業のコーポレートガバナンスに関する実態調査))報告書

掲載日: 2020年12月10日
委託元: 経済産業省
担当課室: 経済産業政策局産業組織課
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令和元年度産業経済研究委託事業(経済産業政策・第四次産業革命関係調査事業費(日本企業のコーポレートガバナンスに関する実態調査))報告書のサムネイル

報告書概要

この報告は、経済産業省が実施した日本企業のコーポレートガバナンスに関する実態調査について書かれた報告書である。2019年度に実施された本調査は、コーポレートガバナンス改革が「形式から実質へ」の深化を求められるフェーズに入った状況を踏まえ、社外取締役等の活動実態と企業のガバナンス取組状況を詳細に分析している。調査は主に二つの柱から構成され、一つは社外取締役43名に対するヒアリング調査により、企業価値向上に向けた社外取締役の役割認識や具体的取組を明らかにしている。社外取締役の最も重要な役割として、外部視点による中長期的企業価値向上への貢献、CEOの評価・選解任、執行との適切な距離感の維持が挙げられた。もう一つは東証一部・二部上場企業および社外取締役に対するアンケート調査で、取締役会運営、指名・報酬委員会の機能、グループガバナンス、事業ポートフォリオ管理、投資家エンゲージメントなど幅広い項目について実態を把握している。調査結果からは、独立社外取締役の設置は進展したものの、実質的な機能発揮には課題があることが明らかになった。特に、取締役会での議論活性化、経営戦略策定への関与、ノンコア事業整理の意思決定プロセスなどで改善の余地があることが示されている。また、社外取締役自身も情報不足や会社側のサポート体制に課題を感じており、より効果的なガバナンス実現に向けた環境整備の必要性が浮き彫りになった。