令和元年度エネルギー需給構造高度化対策に関する調査等事業(自動車におけるエネルギー性能の評価方法に関する調査検討事業)調査報告書

掲載日: 2020年12月10日
委託元: 経済産業省
担当課室: 資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部省エネルギー課
タグ: WtW評価
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報告書概要

この報告は、自動車におけるエネルギー性能の評価方法に関する調査検討事業について書かれた報告書である。経済産業省資源エネルギー庁の委託により、一般財団法人日本自動車研究所が令和元年度に実施した調査結果をまとめたものとなっている。2030年を目標年度とする乗用車の燃費基準では、電気自動車等の電費をガソリン自動車等の燃費と加重平均により基準の達成判定を行うため、比較可能な形にするWell-to-Wheel(WtW)の考え方が導入された。従来のTank-to-Wheel(TtW)が燃料タンクから走行段階のエネルギー消費量のみを考慮するのに対し、WtWは燃料採掘から燃料をタンクに入れるまでのエネルギー消費量も含む包括的な評価手法である。本調査では、WtWの浸透を図るため具体的な車種についてWtWの値を算定し、消費者への浸透課題を把握するアンケート調査を実施している。多様な条件によるWtW表示の検討では、電源構成や表示方法の違いによる換算係数を整理し、国土交通省自動車燃費一覧を用いて型式ごとのWtW値を算出した。さらに日本以外の米国、欧州、中国等における電源構成を踏まえたCO2排出量についても係数の整理を行っている。新たな環境価値等の普及課題に関する評価では、自動車アセスメント、建築環境総合性能評価システム、エコリーフ環境ラベルプログラムの3つの事例について、情報提供の背景や受け入れられるに至った経緯をヒアリングと文献により調査している。WtWの浸透に関する実証実験では、一定要件の自動車購入動機を与えた対象者に対し、WtWの考え方を学習したグループと学習しなかったグループに分けて自動車情報を提供し、異なる特性を有する車種の購入選択をさせる実験を実施した。海外の自動車燃費規制調査では、欧州、米国、中国で導入されている柔軟性措置について整理を行い、オフサイクルクレジットや電気自動車等の台数加算クレジット、企業間クレジットや複数年クレジットの換算方法や利用実績、管理方法等の運用仕組みを詳細に分析している。