令和元年度化学物質安全対策(化学物質の分解性及び蓄積性に係る総合的評価の導入に関する調査)報告書

掲載日: 2020年12月24日
委託元: 経済産業省
担当課室: 製造産業局化学物質管理課化学物質安全室
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令和元年度化学物質安全対策(化学物質の分解性及び蓄積性に係る総合的評価の導入に関する調査)報告書のサムネイル

報告書概要

この報告は、化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法)における分解性及び蓄積性評価の改善について書かれた報告書である。現行の化審法では新規化学物質について事前審査が必要だが、法定試験法以外のデータとの矛盾や実環境中での挙動を十分カバーできていない課題がある。そこで、様々なデータを活用して総合的に評価するウェイトオブエビデンス(WoE)や統合的アプローチ(IATA)の手法を化審法に導入することで、より合理的かつ精緻化された評価を行うための調査が実施された。具体的には、分解性・蓄積性評価のあるべき姿と目指すべき方向性の検討、WoE等の関連用語整理と利用方針の調査、海外化学物質規制制度との比較検討、各種試験方法・推計方法の整理、AI を活用した分解性予測手法の開発調査、優先評価化学物質の分解性整理などが行われた。検討会では現行の判定基準が安全サイドの評価になっている可能性があり、より科学的に適切な評価が必要であることが確認された。蓄積性評価においても、魚類濃縮度試験のみに依存せず、多様な生物種や食物連鎖情報の活用が必要とされた。また、評価段階に応じたスクリーニング情報とアセスメント情報の使い分けや、実環境での挙動を反映した評価の重要性が指摘された。今後2~3年後に科学的妥当性の高い判定基準案を策定し、WoE等の考え方を取り入れた試験法選択及び評価のワークフロー作成を目指すとされている。