平成31年度休廃止鉱山における坑廃水処理の高度化調査研究事業報告書

掲載日: 2020年12月24日
委託元: 経済産業省
担当課室: 産業保安グループ鉱山・火薬類監理官付
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報告書概要

この報告は、平成31年度に実施された休廃止鉱山における坑廃水処理の高度化に関する調査研究について書かれた報告書である。独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構が主体となり、鉱山における坑廃水問題の解決に向けた技術開発と実証研究を行った成果をまとめている。

研究の中核となるのは地下水制御技術の調査研究であり、旧松尾鉱山を対象として広域および局所的範囲における水量シミュレーションモデルの精緻化を実施した。具体的には、水理地質構造調査ボーリングによる詳細なデータ収集、地下水・地表水統合解析モデルの構築と改良、坑廃水発生に係る水質シミュレーションモデルの作成を通じて、現況再現解析および効果予測解析を行っている。

さらに自然回帰型坑廃水浄化システム、いわゆるパッシブトリートメントの導入に向けた調査研究も重要な柱である。人工湿地型処理システムを中心として、現地連続処理試験、室内試験、PHREEQCによるシミュレーション解析を実施し、実規模相当実証試験の準備を進めた。また石灰石を用いた中和水路型処理の課題検討も行われている。

これらの研究により、休廃止鉱山における坑廃水量削減に資する対策工の効果予測、水質変化予測、導入コストの試算などが可能となり、鉱害防止対策の高度化に向けた技術的基盤が構築された。研究成果は地下水制御ガイドラインおよびパッシブトリートメント導入ガイドライン作成の基礎資料として活用される予定である。